概要

個人開発者の一番の悩みの種は自作サービスの宣伝です。サービスを宣伝するには大手メディアに取り上げてもらうのが一番すが、数多あるサービスの中から自分のサービスを取り上げてもらうのは一筋縄ではいきません。

黒歴史クリーナーでは去年の暮れにリニューアルを行いましたが、宣伝活動に普段よりも多くの時間を費やしました。その甲斐あって、新規リリースではないリニューアルレベルのリリースだったにもかかわらず、GIGAZINやITmediaをはじめ、複数の個人ブログサイトにも黒歴史クリーナーを取り上げてもらうことができました。

丁寧な宣伝活動を行うことで、Webメディアにサービスを取り上げてもらえる可能性は格段にあがります。今回は黒歴史クリーナーをリニューアルする時に得たサービス宣伝のノウハウを、実例を交えながら紹介していきたいと思います。

具体的になにをしたのか?

今回のリニューアルでは初リリースのときよりも多くのメディアに「黒歴史クリーナー」を取り上げてもらうことに成功しています。いったいどういう魔法を使ったのでしょうか?

今回のリニューアルでは、プレスリリースの送付に力を入れました。プレスリリースを作成しメディアサイトに送付することで、サービスを取り上げてもらえる可能性を飛躍的にあげることができるのです。

プレスリリースの作り方

社会人であってもプレスリリースを作る機会というのはなかなかありませんが、ほぼほぼ決まったフォーマットがあるので、初めてであっても作るのはそれほど難しくありません。プレスリリースの作り方は次のエントリがとても参考になります。

プレスリリースの探し方

上記2エントリを参考にするだけでもプレスリリースは作れますが、具体例を参考にしたい場合もあります。
具体例が欲しい場合は、プレスリリース掲載サイトから探すのが簡単です。

「黒歴史クリーナー」のプレスリリース

「黒歴史クリーナー」用に作成したプレスリリースは次のようになりました。

【プレスリリース】 安全・安心なTwitterライフをアシスト!過去のツイートを一括で削除することができるWebサービス「黒歴史クリーナー」をリニューアルオープン

プレスリリースの送付先を考える

プレスリリースを作ったところで、次は送付先を考えます。
Webメディアは多種多様あるので、全メディアに対して手当り次第に送るのは非効率的です。
サービスと相性の良さそうなメディアを選別し、紹介してくれそうなサイトに絞って送付するのがいいでしょう。
大手メディアに一回でも掲載されれば、たとえプレスリリースを送付しなかったメディアであっても、便乗して掲載される可能性は大いにあります。

サービスがどういう記事にできそうか考える

サイトを選別するにあたり、まずはサービスがどういう記事にできそうか考えます。
「黒歴史クリーナー」の場合、ぱっと思いつくだけでも、次のような切り口があります。

  • 純粋にWebサービスを紹介する記事
  • 「Twitterを便利にするためのツール○○選」のようなまとめ系の記事
  • Twitterの仕様変更(ツイート全件ダウンロード)とからめた記事
  • Twitter炎上ネタにからめた記事
  • 就職などの節目とからめた記事

上記のような切り口の記事が掲載されているサイトであれば有望です。

Webメディアを分類する

広義の意味でWebメディアと呼ばれるようなサイトは多種多様あるので、タイプ別に分類しておくと選別が楽になります。今回はWebメディアを次のように分類しました。

  • ポータル系ニュースサイト
  • Webメディアサイト
  • 個人ブログ
  • 2chまとめ系サイト
  • キュレーション系サイト
  • Webサービス紹介サービス

ポータル系ニュースサイト

検索エンジンや動画サイトなどのポータルサイトから派生したニュースサイトです。
具体的な例としては次のようなサイトになります。

特徴

ポータル系ニュースサイトの特徴として、(一部の例外を除いて)自身では記事を執筆しておらず、提携しているWebメディアサイトから記事の提供を受けているという点です。
そのため、ポータル系ニュースサイトに直接プレスリリースを送ったとしても記事が掲載される見込みはありません。ポータル系ニュースサイトに記事をのせようと思ったら、記事提供元のWebメディアにプレスリリースを送り、記事にしてもらう必要があります。

ポータル系ニュースサイトに記事が掲載されるととても有利です。多くのポータルサイトは日本でも有数のアクセス数を持っています。流入してくるユーザは、Webに疎く(=広告効果が高い)、サイレントマジョリティ(=サービスへのクレームが少ない)なユーザです。

探し方

検索エンジンで「記事提供元一覧」などのキーワードで探すとみつかります。また、日本の人気サイトランキングからでも探せます。
ポータル系ニュースサイトに直接プレスリリースを送ることはありませんが、記事提供元となるWebメディアサイトを探すためにも、複数サイトをピックアップしておくと便利です。

Webメディアサイト

ネットのトピックスを扱うサイトです。多種多様なサイトがあります。具体的な例としては次のようなサイトになります。

ネットメディア

スマホ/アプリ

大衆/風俗

ソーシャルブックマーク

特徴

Webメディアサイトの特徴として、自身でも有力なメディアサイトであり、ポータル系ニュースサイトへの窓口でもあるということです。Webメディアサイトに記事をのせてもらうことがサービス宣伝の要になります。

日々大量の記事が更新されるため、掲載のハードルは必ずしも高い訳ではありません。サイト毎に記事の特色があるため、ネタの切り口をサイトに合わせて最適化することで、そこそこの確立で掲載されるのではないかと思います。

客層は一般的なITリテラシーをもったユーザです。掲載当日は大量のユーザが流れ込みますが、記事は短い期間で流れてしまうため、流入のピークは長くても1週間程度になります。

探し方

ポータル系ニュースサイトの記事提供元一覧からたどるのが簡単です。メジャーなポータル系ニュースサイトの提供元は必ず押さえておきたいところです。
TopHatenarの上位サイトや、Twitterでバズった記事などからも探すことができます。

個人ブログ

個人でネットメディアを展開しているサイトです。ネットトピックを扱うサイトやサービスの紹介サイトなど、多種多様なサイトがあります。具体的な例としては次のようなサイトになります。

特徴

アクセス数的にはWebメディアサイトに劣りますが、業界関係者への影響力が高いサイトが多数あり、サービスの注目度を考えたときに重要になるメディアです。Webメディアほど更新頻度が多くなく、記事に選択に個人の好みが強く反映されるため、掲載のハードルは高くなります。

アクセスのピークは低く長くですが、記事がサイトの人気記事入りした場合は定期的に多くのユーザを送り込んでくれるため、トータルの流入数でみるとWebメディアを超えることがあります。

客層のITリテラシーは高めです。

探し方

TopHatenarから探すのが簡単です。また、相互リンクもよく利用されています

2chまとめ系サイト

2chまとめ系サイトです。
具体的な例としては次のようなサイトになります。

特徴

賛否ある2chまとめ系サイトですが、ネットの情報流通の一翼を担っています。アクセス数やバズりやすさは大手Webメディアを凌ぐものがあり、単純に無視することはできません。匿名で自己キュレーションも可能なため、話題作りがしやすいのが強みです。サイトによって味付けが異なり、サービスに合わせたサイトを選ぶ必要があります。

客層のITリテラシーは高めです。アクセスは一過性のもので、流入してくるユーザはサービス自体には興味がない場合も多いです。ノイジーマジョリティなユーザなため、扱いが難しい部分があります。

探し方

TopHatenarから探すのが簡単です。

キュレーション系サイト

キュレーション系サイトです。
具体的な例としては次のようなサイトになります。

特徴

自己キュレーションが可能なメディアです。
2chまとめ系サイトと似たような特徴ですが、アクセス数を控えめにして客層を改善したような感じです。
NAVERまとめからの流入数は少なくない数があり、丁寧にネタを作ればアクセス源としてそこそこ活用できそうな手応えがあります。

探し方

上記の3サイトでとりあえずは大丈夫だと思います。

Webサービス紹介サービス

Webサービスを紹介してくれるサービスです。
Twitter関連のサービスについては次のようなサイトになります。

特徴

自己推薦で掲載できるため、掲載の敷居が低いのがメリットですが、玉石混交でバズりにくく、流入自体はあまり増やせません。上記サイトは優れたデザインと使い勝手で、例外的にユーザベースが多いです。

プレスリリース送付先評価シート

以上のことを踏まえた上で、「黒歴史クリーナー」を扱ってくれそうなサイトかどうかを評価し、表にしました。
この表に従って、見込みのありそうなサイトにプレスリリースを送付していきます。

プレスリリース送付先評価シート

プレスリリース送付メール

プレスリリースを送付するメールの文面です。
プレスリリース本文に加えて、運営者の個人情報やサイトの状況を追記しています。

メディアサイトが欲しているのはアクセスに繋がる記事です。アクセスに繋がりそうなネタは積極的に伝えましょう。また、プレスリリース本文やスクリーンショットの自由な利用を許可することで、掲載のハードルを下げることができます。

メール本文

掲載されたメディア

「黒歴史クリーナー」を掲載してもらったメディアは次の通りになります。

掲載のタイミング

プレスリリースは11日の午前中に送付しています。掲載のタイミングを細かく制御することはできませんが、スピード感の傾向はみてとれると思います。最速で掲載されたITmediaには当日の夕方には掲載されていました。企業メディアの場合、送付後24時間程度で掲載される場合が多いようです。

Webにはアクセスが増減する特徴的な波があります。土日や連休中はアクセスが少なくなり、平日であれば9時・13時・22〜24時頃にアクセスが多くなります。プレスリリースの送付にこの波を考慮したくなりますが、さほど気にすることはないかなと思っています。掲載のタイミングを細かく制御できないというのもありますが、トータルで計算すると大した差はないと思います。ピーク前から徐々にバズらせた方が、ピーク中にドカンときますし(「あとで読む」効果)、連休中はアクセスが減りますが、記事の更新も減るのでトータルの流入数はさほど変わらないという気がします。

終わりに

以上が今回得たサービス宣伝のノウハウです。プレスリリースを作って送るという経験は初めてだったため、なかなか手こずりました。「サービスをどう宣伝するべきか」を考えるところから始めて、「プレスリリースをどう書くか」、「どこに送付するべきか」を熟考し、実際に送付が終わるまで、1週間程度かかりました。

苦労した甲斐あって、なかなかの成果をあげることができました。複数の大手サイトに記事が掲載されたというのも大きいですが、作業の流れや文章の作り方について理解が進んだので、アプリやゲームを作ったときにも応用が利かせられそうなのがうれしいです。

黒歴史クリーナーについては今年中にもう2〜3ネタがあるので、うまく宣伝ができるようにさらに勉強を進めていきたいと思います。